美食の都エミーリア・ロマーニャの新星 サン・ヴァレンティーノ
イタリアを代表する黒ブドウ、サンジョヴェーゼ発祥の地と言われるエミリア・ロマーニャ州の最南端に位置するサン・ヴァレンティーノ。
アドリア海に面したマルケとの州境に程近い場所に位置するこの醸造所は、1997年に現在のオーナー、ロベルト･マスカランが父親から運営を任されて以降、徐々に品質を向上させてきました。
2000年に、モンテペローゾでもエノロゴを務めるファブリツィオ・モルタールをコンサルタントに迎え、ワイナリーおよび畑の大規模な改修が行われました。
もともと海に近いため、海面の照り返しの恩恵を受ける畑は暖かく、ブドウがよく熟す土地ではありましたが、植樹密度を高くとり、剪定や除葉、グリーン・ハーヴェストを徹底して行うなどして、収量を厳しく制限。
モルタールの指導の下、畑の状態は飛躍的に改善され、その後の大幅な品質向上の礎を築きました。
また、ロベルトがワイナリーを継承当時は、発酵槽は大樽かコンクリートタンクしかなかったのですが、新設セラーではステンレスタンクを導入。
温度管理をしながらの発酵が可能になっただけでなく、区画ごとに分けて発酵できるようになったため、ワインはよりクリーンな味わいを得ることができるようになりました。
現在エノロゴを務めるのは、ファブリッツィオ・モルタールの後任であり、ボルドーで醸造を学び、主にフランスでワイン造りに携わってきたブノワ・ド・コステール。
2004年版の『ガンベロ・ロッソ』で初のトレ・ビッキエリを獲得して以来、3年連続でその栄誉を受け、全世界から高い注目を集めるようになった今も品質革命は続けられ、ワイン造りにビオロジック、ビオディナミの手法を取り入れようと模索中です。
目標とするのは、早すぎず遅すぎず、適正な時期に収穫したブドウのクリーンでピュアな要素がそのまま表現された果実のワイン。
イタリア語で『血』の意味を持つ『サン』という文字を冠し、2千年以上もの昔から脈々と受け継がれてきたサンジョヴェーゼを中心に、コスト・パフォーマンスに秀でるスカッビ、イタリア全土のサンジョヴェーゼの指標となりつつあるテッラ・ディ・コヴィニャーノ、そしてボルドー・ブレンドでイタリアの頂点に迫るルナ・ヌオーヴァなど、毎年それぞれ素晴らしい進歩をみせています。
【ワインリスト】
No.199
2011/08/11 サチ
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