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カルム
甘口ポートワインの生産で知られるドウロ河流域。中部シマ・コルゴから、近年高品質を求めて東方ドウロ・スペリオールへと生産地域は広がっています。このドウロ河の上流の、さらにスペイン国境に限りなく近いアルメンドラの町に、カルムはあります。
現オーナーのセルソ・マデイラは1966年に家業を継ぎ、続いて息子ルイがワイン造りを担当。1995年より有機農法認定(SATIVA認証 EC Reg. Nr. 2092/91.)を受けています。
ドウロ・スペリオールは、南斜面に畑が広がりポートワインの原料となりますが、カルムが眼を付けるのは主に北側、東側に面する冷涼な畑。一部に650メートルという高い標高の箇所を含んでいます。
南斜面が次々と大手企業に買い取られるのを尻目に、冷涼で昼夜の寒暖差の大きい畑から、きれいな酸と新鮮なアロマ、そしてミネラル感を感じさせる素晴らしい辛口ワインを生産しています。2002年からは白ワインの生産もスタート。
カルム所有の暑すぎる地区からのぶどうは、テイラーなどポート生産者に売ることもあり、彼らが求めるのは、冷涼な地区にある伝統的なテラス式畑の古樹からのぶどう。従来の1テラス2列の植樹から、独自で開発した1テラス1列の樹間に植え替えることで、灌漑をせずとも樹に十分な水分を確保させる方法をとっています。
やや温暖とされる区画では、丁寧なキャノピー・マネージメントにより太陽の光量を微調整。そして、冷涼さゆえにこれまでぶどう畑として使用されていなかった区画を開発する際は、自社畑の古樹から良質なものを選別するマサル・セレクションによって植樹を進め、カルムしかない独自性、特徴を引き出しています。
求めるワイン・スタイルは「食事に合うワイン」。一般的にDOドウロは辛口ワインでさえ、どこか過熟風味を持つアルコリックなワインが見られますが、カルムでは重厚でありながらより緻密な繊細さを持つワインを追求しています。
赤ワインはいずれも樽熟しますが、樽の香りが強く出ることでテロワールが隠れないよう細心の注意を払い、白ワインは清潔な果実とともに、ミネラル風味を備えるよう仕上げています。ブラインド・テースティングではムルソーと間違われたというエピソードも。
ルイ自身は、トゥーリガ・ナショナルの持つフレッシュでフローラル、ベルガモットやバジリコのような風味を最も高貴と考え、ここに力強さを与えるティンタ・ロリスをブレンドするというのを基本的な考えとしています。
この地域で辛口ワインが本格化したのは最近のことであり、カルムでもまだまだ毎年実験、研究が重ねられていると言います。ヴィンテージごとに品種の割合は微調整され、熟成の方法や期間に対しても非常に柔軟。ダイナミックに進化し続ける姿を目の当たりにしました。
「急速に変わろうとしているドウロ・スペリオーレでは、10年後には北東側の畑を買うことも難しくなるだろう。今のうちに買っておきたい畑はあるのだけれど、すぐに量産して価格を上げるのは絶対にしてはいけないこと。ポルトガルのこの土地から、世界レベルで高品質なワインができることを証明し、少しずつゆっくりと成長を続けることが、僕たちの仕事なんだ!」。今後がますます楽しみなカルムです。 |
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