ドメーヌ・ビゾー
偉大なワイン造りにより、神のような存在ともいわれるアンリ・ジャイエ。その実家からすぐ目の前、歩いてすぐのところにあるドメーヌ・ビゾー。優れたワインを有機栽培(ビオロジー)により造っているヴォーヌ・ロマネの注目すべき造り手です。お爺ちゃん、お父さんと二代続くお医者さん一家のため、畑はいわゆるレンタル貸しをしていて、実際にはワイン造りには携わってはいなかったそうです。彼、ジャン・イヴ・ビゾーがワインの世界に飛び込んだのは1991年のこと。それまでは、地質学を学んでいたのですが、ワイン造りも面白そうだということで、ワイン醸造学を学び始めました。1995年からワイン造りを始めるつもりで準備をしていたのですが、父親の病気により急遽、家を継ぐことになったので、実際には2年間ワイン醸造学を学んだ後、1993年からワイン造りを始めました。そしてワイン造りだけでなく、葡萄の栽培も自ら行うようになったのは翌年1994年のこと。幸いなことに、代々受け継いできた畑はヴォーヌ・ロマネの一等地。ドメーヌ・ビゾーの誕生です。1993年当時は、なかなか思うようなワインが造れなかったとのこと。ワイン造りを始めたその時から酸化防止剤を入れないワイン造りをしようと思っていたそうで、少しずつ研究を重ねながら、酸化防止剤の添加がゼロになるよう、量を減らしていきました。1997年のワインには、ほんとうにわずかな量しか入っていないそうです。そして迎えた1998年、ブルゴーニュでのワイン造りが非常に難しい年だったにもかかわらず、意を決して酸化防止剤をまったく添加しないワインを造りました。転機となった1998年のワインは、彼ジャン・イヴ・ビゾーにとって、とても大切なワインとなったようで、「これは何年のワインでしょう?樽の香りは出ていますか?美味しいですか?」と、ブラインド、つまり銘柄を隠して試飲に出してくれたのも、この年のものです。「樽の香りは出ていますか?」というのは逆に、「樽の香りは出ていないでしょう?」という意味から出た言葉のようです。彼にとって、樽とはオーケストラの中のコントラバスなんだとか。決して表には出ないけれども、ベースとなる重要な役目を果たしている。あまり樽の風味が表に出ないワインが彼の目指すところ。「お〜、ジャムっぽいね ぼんっとくる 甘さが香りをひきたてるね」というのは、長崎にあるアンペキャブルというフレンチレストランのオーナーシェフ、大坪さんの「1998年産 ヴォーヌ・ロマネ レ・ジャシェ」を味わっての一言。1998年は乾燥した年だったのですが、その前にけっこう雨が降ったので、腐ってしまう葡萄もあり、葡萄の選別、つまり良いものだけを選び出し、出来のよくない葡萄をバッサリ切り捨てるということを、非常に厳しく行わなければ良いワインができなかった年で、「非常に良い年とは言えないながらも、自分にとってはいい仕事ができたし、ワインの出来も良かったと思う」とのこと。以後、試行錯誤を繰り返しながらもグングンと頭角をあらわしていった彼のワインには、学者肌で真面目な紳士である彼らしく、上質なヴォーヌ・ロマネのワインがもつ繊細さ(エレガンス)と緻密さ(フィネス)がみごとに備わっています。アンリ・ジャイエには実際に何か教わったんですか?アンリ・ジャイエが畑に出ていた時に、一度だけ1時間ほど話し込んだことがあります。私にとって、その1時間の方が、2年間学校で勉強したよりも学ぶものが多かった。アンリジャイエの弟子だと言われているようですが、それは全く違いますね。ジャシェの畑はヴィエイユ・ヴィーニュ(古樹)の畑と地質的に違いますか?ヴィエイユ・ヴィーニュは、坂のやや下の方で表土の部分が厚く、ジャシェはもう少し上の方です。斜面がきつくて土壌には石がたくさん含まれています。エシェゾーの畑はどの部分を持っているんですか?斜面が始まるちょっと手前の区画に56アールを所有しています。2001年からラベルが替わったのは、何か思いがありますか?昔のものは大きすぎて、あまり気に入らなかったんです。今のものは、近代的なものと古いものとの感覚が交じった感じで、似たようなラベルがなくて満足していますよ。
生産者:ビゾー原産地:フランス・ブルゴーニュ分類:AOC ヴォーヌロマネ品種:ピノ・ノワール100%タイプ:(赤/辛口)